教育研究所
№594「教育課程について<その3>」
教育課程のPDCAと言っていたのに,「最近,カリキュラム・マネジメントと言いますが,なぜでしょうか?」と,教務主任の先生から質問されました。こういう難しいことは,高齢者に聞かないで,所属校の校長先生にご指導いただくか,ご自分でお調べください。
辞書(「学校教育辞典」教育出版)によると,カリキュラム・マネジメントとは,「学校の教育目標を達成を目指して,学校内外の資源や特色を生かし,結び付けて,教育課程の基準に基づきつつ自主的・自律的に教育課程を編成し,展開し,それぞれの学校の教育の質を高め,改善を図っていく経営の具体的な方策」を指す。また,従来の「教育課程の管理とか,教育課程経営,教育課程のPDCAなどと称されていたが,それらが学習指導要領の学校への効率的展開・適用という面が強く色づけされていたのに対して,学校の自主性・自律性,学校の創意工夫,特色ある教育活動・学校づくりが強調されるにつれて,学校や子どもの教育の現実からカリキュラムを構想し,展開するという意味合いを込めて,カリキュラム・マネジメントあるいはカリキュラム経営」と称されるようになった。
中教審「審議のまとめ(素案)平成28年8月1日p15」では,「各学校には,学習指導要領を受止めつつ,子どもたちの姿や地域の実情等を踏まえて,各学校が設定する教育目標を実現するために,学習指導要領等に基づきどのような教育課程を編成し,どのようにそれを実施・評価し改善していくかという「カリキュ・ラムマネジメント」の確立が求められる」とある。
しかし,全国校長会のリーダーであったT氏によると,これでは少し狭すぎるという。「開かれた教育課程」「子供に育む資質・能力の3つの要素」「➀学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で,その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列すること,②教育内容の質の向上に向けて,子供たちや地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき,教育課程を編成し,実施し,評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立する,③教育内容と,教育活動に必要な人的・物的資源を活用しながら効果的に組み合わせること。その際,地域等の外部の資源も含めて考える」等が必要だということである。 (K・H)
(2016年8月23日)