教育研究所
№597「拾った石とドクダミ」
女優の宮崎美子さんは,ある雑誌のインタビュー記事で読んだが,旅先の石ころを持ち帰る(採集する)ことが趣味のようだ。かく言う私も同じ趣味がある。シルクロードの砂漠の石,スペインの海岸の石,中国の万里の長城の石積みのかけら,ベトナムの山道で拾った石,ペルーのマチュピチュの会談の石のかけらなど,これらを手にするたびに旅の思い出がよみがえってくる。(環境・自然破壊が心配なので,ガイドさんに断わって,大丈夫だと言われたものだけ持ち帰っている。念のため。)
宮崎美子さんの話の中に,漢字のクイズ番組に出た時の思い出が語られていた。植物の名前は,自然に生えている時と,漢方薬として使われるときとでは違う名前になることがあるそうだ。例えば,「ツルドクダミ」の生薬名は「かしゅう(何首烏)」と言うのだそうで,植物園で確認したところ「地味な草でねぇ」と,「人間とのつながりが深いから立派な名前をもらったんだろう」ということである。
そういえば,昔,勤務していた研究所の上司であった中島潮さんは,ドクダミを煎じたお茶を体のためだと常飲していた。懐かしく思い出す。 (K・H)
(2016年8月26日)