Y新聞の「家庭版」に，「今月はこれニャ！初恋」欄があり，読者の7つの「初恋」の話が紹介されていた。

　80歳の女性が，小学校担任の先生に恋心を抱いた話が，印象に残った。「（前略）ある日の放課後。帰ろうと廊下に出た所で，向こうから先生が歩いてくるのが見えた。その瞬間，突き動かされるように「先生」と叫んで，胸に飛び込んでしまった。先生は，「どうしたんだ」と言って笑っていたし，私も笑ってごまかしたが，泣きたい気持ちもした。これが私の初恋だった。（中略）この80年の歳月を振り返ってみると，この1年数か月は，明るい春の光が当たっているような感じがする」という一文である。

　私の初恋？，それは企業秘密。私は，これでも，公立小学校の校長をしていたことがある。だらしな系の男性の先生や，度を越したすっぴんの女性の先生には，「小学校の先生は，子どもの初恋の対象になることがあるんだから，少しだけ･･･に気をつかってください」と，時折お願いしたことを思い出した。あながち間違いでないことを，80歳の女性がいみじくも証明してくれたような気がする。（Ｋ・Ｈ）　

（2016年9月29日）