教育研究所
№613「国技なのに・・・」
大関稀勢の里が,大相撲初場所で横綱白鵬を破って14勝1敗で優勝した。そして,横綱審議会で満場一致で,第72代横綱に昇進した。おめでたい限りである。
15日目に,ご両親が観戦していた。白鳳に勝った瞬間,お母さんがハンカチで涙をぬぐっていた。お母さんが顔の前で手を横に振っていたが,周りの観客から「おめでとう!」とでも声をかけられたに違いない。お父さんは,表情を崩さず,土俵上の稀勢の里を凝視していた。仕草は異なっても二人の心の内が伝わってくるいい風景だった。
それにしても,1998年若乃花昇進以来19年ぶりの日本人横綱の誕生だという。私がN小学校の校長になったのが1998年4月で,5年務めて退職してから15年で,ちょうど19年経つ。19年とはとてつもなく長い年月である。日本の国技なのに,日本人がずっと2番手でいるとは...と思い続けてきたが,少しほっとした。
グローバル化社会,開放的な日本の象徴とはいえ,日本の関取の活躍が「もう少し」目立ってほしいと思う。横綱稀勢の里の活躍,それに続く第2,第3の日本人横綱を期待する。(K・H)
(2017年1月27日)