教育研究所
№618「いっしょ」
みんな出掛けて,ぼんやりTVを見ていた。コマーシャルで,3人の男が,大中小の福袋をどれにしようかと分ける場面である。
Aは,控えめにちょっと不満そうに小を取った。Bは,中間にしようと中を取った。Cは,残り物に福があると大喜びで大を取った。
あけてみると,中身は同じ品物だった。ABC異口同音に,「何だ,いっしょだったのか!」問他愛無い内容のものである。
でも,ここには重大な「教育問題」が隠されている。「同じ」ということを表現するのに,果たして「いっしょ」という表現は適切(正しい)だろうか。最近,教室の中でも,教師が「Dさんの考え方と,Eさんの考え方は一緒だね」「なるほど,8×9の答えと,9×8の答えは72になるので,いっしょだね,つまり,8×9=9×8ということだ」などと,使っている。困ったことである。
そういえば,中教審の答申の中に,算数の「商」や「等しい」は日常あまり使われたいのでわかりにくいという実態があるというような指摘があった。「商」はともかく「等しい」も日常使われていないないという実態はどこから来たのだろうか。 (K・H)
(2017年2月3日)