教育研究所
№626「ディズニーランドの人育て」
進化論のダーウィンは,「人間とは,変化に対応できる生命である」と言ったそうだ。ディズニーランドを企画・運営してきた安孫子薫氏によれば,「生き抜く力」とは,「夢を描き,夢を実現する」ことであり,「自分のレールを自分で敷いていく力である」という。創造的な仕事を立ち上げ,育ててきた人らしい誠に含蓄のある言葉である。
そして,各学校がキャリア教育として実施している職業体験や社会体験には,「子供が大人になれる場所」であることを価値づけてくれる。職業体験や社会体験でのスーパーバイザーの仕事は,「子供を大人扱い,職業人として扱う」ことで,「教える→考えさせる」「指示→やるように仕向ける」「否定しない→どうしたらできる?」と,立ち位置をちょっと変えることである。これは,教師にも通じることだと,納得し,今までの認識不足を反省した。
また,スーパーバイザーに大事なことは,例えば,感謝は「○○さんありがとう」,いい仕事には「すばらしい!」と伝えることである。という。これは,「頑張ったね」という曖昧な評価より,「○○が素晴らしいね」と具体的に褒めてあげたい,いい行いをしたら「立派だね」よりも「みんなが喜んでいたよ」「お年寄りが,とても助かったと感謝していたよ」と中身で認めてあげたい。私たちがもっともらしく言いながらうまくいっていない「肯定的評価」の進め方に大きなヒントを頂いたような気がする。
2月のある日の午後,代々木オリンピックセンターの大講堂の廊下のソファに座っていたら,場内の講演が漏れ聴こえてきて,素晴らしい勉強ができた。(K・H)
(2017年3月6日)