教育研究所
№635「今はない,懐かしい教育誌」
手元に「教育じほう」昭和46年7月号がある。特集は「学習形態の探究」である。当時は,教職経験の浅い私には,正直理解できなかった。特集部分だけをざっと復習してみた。
桑原知幸「学習形態の変遷と未来への展望―その学習の方向を探る」(ヘルバルト形式主義的教授,ブルーナー発見学習法,ワーゲンシュタイン反例学習法,アルゴリズムの思考学習法),大石勝男「個別指導と集団指導―これ以外に方法がないだろうか」(黒板と講義と挙手の授業,集団指導の特質再検討,集団指導における個別指導の工夫,集団思考の重視,子供に接近する努力),石谷潔「学習効果を支えるもの―発達段階を抑えた指導」(低学年・中学年・高学年の学習形態の工夫:個人学習,小集団学習,全体学習,発見学習,検証学習,範例学習,学び方学習,典型学習,主体学習),金沢文四郎「教師のティームワークと授業」(小学校学年内教科担任制(昭和48年頃小金井小学校で実施した経験がある),大集団指導(学年合同),1学級2担任授業(現在のTT),能力別指導(現在の習熟度別指導),遅進童指導)と,なっている。授業スタイル(学習方式),学習形態,指導体制の区分が曖昧であるものの,多くを学ぶことができた。
半世紀も前なのに,今の学習形態&指導体制の核心に迫る内容で,既に鬼籍に入っている先達の識見に敬服するとともに,未だ不勉強の自分を深く反省し,温故知新を実感した。(K・H)
参考:「教育じほう」1971年7月号東京都立教育研究所(20世紀末 閉所・廃刊)
(2017年4月15日)