教育研究所
№636「小学校におけるTT導入による授業改善」
東京都で1学級を複数の教員で指導する発想「TT方式」が具体化したのは,平成4年頃である。先行研究や実践例が少なく初等教育指導課一丸となって手探りで進めたことを懐かしく思い出す。
実は,民間研究会「21世紀教育の会」が主催した「アメリカ教室授業視察」に,昭和53年3月に老妻(その頃は若くて少し可愛かった)と参加した。サンフランシスコやロサンゼルスの小学校で,オープンプランシステムの教育,無学年制(学年を超えた習熟度別,但し兄弟姉妹間では逆転させない)教育,1学級3教師担任制授業(全体指導とグループ指導と個別指導の組み合わせ)を観察したことが大変役立った。
最初は,小学校にTT教員を100人配当するのに苦労したが,形を変えて,今ほとんどの学校に配当されている状況(現在は,少人数担当教員というらしい)を見るにつけ,その後の教育委員会の対応と各学校の工夫に頭の下がる思いである。
現在は,1C1T,TT,少人数指導,習熟度別指導,パソコン活用の個人学習,地域の人的・物的資源活用の授業と,工夫・改善・開発が続いていることに,子供たちに対する「質の高い教育活動」の保障を確信している。(K・H)
参考:研究紀要第62号二階直隆企画「小学校におけるTT導入による授業改善」一般財団法人教育調査研究所1994年7月 「教育時報№78(「TTによる授業づくり」神戸大学助教授浅田匡)文渓堂一般財団法人総合初等教育研究所
(2017年4月16日)