教育研究所
№643「モノの価値とは?!」
フランス文学者・文化勲章受章者の桑原武夫氏の遺族が寄贈した蔵書1万冊が,不要物として廃棄されたそうだ。せめて,遺族に連絡して返却することができなかっただろうか。モノの価値が分からない職員,モノの価値をないがしろにする組織にあきれたしまった次第である。2020オリンピック&パラリンピックを控え,改めて,「モノの価値」や「文化・伝統」について考え,確認したいものである。
この件に比べれば,「月とスッポン」であるが,ある教育研究所に勤務していた時の体験を思い出した。明治時代からの教則や学習指導要領,1970年代の中国やアフリカ諸国の教科書,1945年以前及びその直後の教育関係書を,寄贈したことがあった。その後,資料室担当の職員数人が,「あんなゴミみたいなモノを持ち込んでいい迷惑だよ」と愚痴っているのを,調べ物をしていて,偶然,耳にしたことがある。その後,研究所は閉鎖されたので,本物のゴミとして処理されたに違いない(と思う)。(K・H)
(2017年5月25日)