教育研究所
№644「涙があふれて止まらなかった」
高校生3人の素晴らしい姿に接し,心の底から感激し,涙が止まらなかった。この子どもたちの報われる日本であってほしいと,つくづく思った。そして,いい加減な高校生にしか目を向けていなかった自分を反省した。
A君が高校,B君が中学生の時,父親が亡くなった。二人は,話し合って,部屋代は生活保護で,生活費はA君が昼間働いて月9万円稼ぎ高校は定時制に通った。B君は昼は高校へ通い,夜アルバイトをして3万円稼いだ。定時制から下校したA君は,夕飯を作って弟のB君を待ち,遅い夕食を食べた。そして,二人は見事卒業した。B君の卒業式にはA君が参列し,A君の卒業式にはB君が参列した。二人が,互いに感謝し合い,信頼し合い,尊敬し合っていることが素晴らしかった。二人は,仕事に付き,自分の未来に向かって,互いの助け合いながら今後も生きていくということである。二人の未来に幸多かれと...。
もう一人の高校生Cさんは,母親と妹,弟と4人で生活している。母親は,昼も夜も働いている。Cさんは,朝起きると妹と弟の世話,洗濯をして,学校へ送り出してから自分も登校する。下校すると夕食,家事,お母さん代わりに目いっぱい甘える妹と弟の世話をする。それから夜アルバイトに行く。アルバイト代は,妹と弟に何か買ってあげたり,専門学校の学費に貯金している。そして,今週見事卒業した。成績はオール5であるが,専門学校へ行き,早く職に就いて,妹や弟の進学や欲しいものを買ってあげ,苦労している母親を助けたいというのである。6年生になった妹が,「お姉ちゃんに感謝している」と言いながら夕食を作りCさんを待っている姿に,分かり合っているんだなと心が温かくなった。みんな,幸せになってね。(K・H)
(2017年5月26日)