教育研究所
№656「大学入試の改善」
平成32年度から大学入学共通テスト(仮称)が,「マークシート方式」から「マークシート方式」&「記述式」に改善されるそうである。(教育新聞2017年5月25日)
このことに関連して,学校評価や学習評価で以前からいろいろご指導いただいている工藤文三先生「知識・技能か,思考力・判断力・表現力かの2項的な学力観に陥らないように(全体として知識・技能も踏まえつつ,思考力・判断力・表現力を重視ることを基調とする)」と,鈴木秀幸先生の「評価研究から記述式は改革の一歩(多肢選択式のテストでは他者依存型で自分で正解を考えなくてよい。記述式テストは自分で答えを見つけ表現するので適切で妥当である)」というコメントに,大きく肯いてしまった。
大学入試が変われば,高校教育の質が変わり,さらに中学校教育の質が変わり,その基礎となる小学校教育の質も変わるだろう。文字面(もじづら)だけの小・中・高・大の一貫教育ではなく,質の面にこそそれを期待したい。
一部の人がもっともらしく喧伝する「教師の説明を理解し覚える授業」「教えて考えさせる授業」「漢字と計算のドリル重視の学習」「記憶と反復練習重視の学習」から,子供たちを解放して欲しい。そして,「質の高い授業」「学習したことを活かせる学習」にして欲しいものである。(K・H)
(2017年6月13日)