教育研究所
№657「苺の実」
私たちがふつう食べている苺は,江戸時代末期にオランダ経由で伝わってきたもので,オランダイチゴ(学名fragaria)なのだそうです。
苺の実はリンゴなどと異なって,2つに切っても種が見えません。苺の食べる部分は,花托(かたく,または痩果(そうか)ともいう)という部分が膨らんでできたものです。苺の本当の果実は,花托の上についている沢山の黒い粒々です。だから,苺を食べると,一口で何百という果実を食べたことになるのです。「そんなどうでもいいこと知りたくないよ!」「せっかくの美味しい苺がまずくなるよ!!」,そうですね,申し訳ありません。
でも,もう少し言わせてください。一つの実にこんなに沢山の果実がついているのは,花を観察すればわかるのだそうです。苺の花には,桜や菜の花と異なって,一つの花に沢山のめしべがついています。膨らんだ花托の上に,ボツボツとしためしべがたくさん並んでついています。(実は,疑問をもって調べたのです。参照した本は,中村浩著「植物のなぞ」学校図書館文庫,牧書店1952年180円です)
ところで,キイチゴも,オランダイチゴと同じなのでしょうか? 今度,6月の下旬ころ,山へ行った時によく観察してみようと思います。(K・H)
(2017年6月14日)