教育研究所
№664「語彙指導の充実」
高校生や大学生,若者の語彙の貧困さと,話し方の拙さに苦言を呈する識者の声は決して低くない。統計的にデータを処理したものではないが,普通の大人の場合も似たような状況にあると思われる。諸外国から訪日した観光客にインタビューしている場面で,日本のアナウンサーよりも,俄かに覚えた外国人の日本語の方が,正しくかつ美しいのに何とも言えない気分になることがある。
新学習指導要領では語彙指導の充実について,文科省教育課程教科調査官によると,小学校低学年「身近なことを表す語句」,中学年「様子や行動,気持ちや性格を表す語句」,高学年「思考に関わる語句」,中学校1学年「事象や行為,心情を表す語句」,2学年「抽象的な概念を表す語句」,3学年「理解したり表現したりするために必要な語句」が重点だそうである。なるほど,「語彙を豊かにする」とか「語彙指導を改善・充実する」ことが大切であると言われるより,この方が具体的で分かりやすい。
このことを,BOKEの症状が少しずつ現れ出した気の置けない数人の雑談の中で,「大きなくくりではそうかもしれない。でも!!,語句の難易はあっても,この6つの分類に属する語句は,どの発達段階でも必要ではないのか?」ということで,妙に盛り上がった。(YAYU)
(2017年6月23日)