教育研究所
№668「里帰り」
H市にいる娘が,高校時代のクラス会に出るため久しぶりに里帰りをする。老妻は,何日も前からそわそわしてあれこれ考えているようだ。いくつになっても母親と子どもの関係である。かく言う私も「お父さん,おこずかい頂戴!」と言われると,1週間1万円の小遣いを倹約して貯め込んだ中から「しょうがね~な」と言いつつ「●円」をあげてしまう。困った甘えっ子である。
待てよ,今日言いたいことは全く別の「里帰り」である。この前,庭の梅の実をもいだ。大した量は取れなかったが,「梅干し」「梅酒」「梅ジャム」にした。「梅干し」と「梅酒」は,秋ごろが楽しみである。勿論「梅干し」は2~3年後がおいしい。
「梅ジャム」を,親しくしている二人の老婦人にさし上げた。Aさんからは「いただいても,お返しができないので...」「そんな固いこと言わないずに...」「気持ちだけ頂きます」と言うことで即刻里帰りをしてきた。Bさんからは「あらご馳走様でした」と喜んで受け取っていただけた。翌日,Bさんから「奥様,味が今一つだったので,少し蜂蜜を入れて作り直してみました。どうぞ!」と半分「里帰り」してきた。大笑いをしてしまった。さっそく家族みんなで味見をしてみたら確かにおいしくなっていた。中2の孫が「これって,故郷に錦を飾るということだね」「まさか」...。(K・H)
(2017年6月29日)