教育研究所
№670「腕組み」
腕組みをして話を聞いていたら先輩から「あなたの話は聞きたくないというサインに取られることがあるから,腕組みをしながら話を聞くことはやめた方がいい」と,教員になって間もない頃にたしなめられたことがある。それ以来,相手が子供だろうと大人だろうと話を聞くときは,腕組みをしないように心がけている。
周りをさりげなく観察してみると,「だからどうした...」「もううんざり...」と言う場合もあるし,「聞いてやるから言ってみな」と上から目線のような表情しているように感じることもあるし,せっかく講師がいい話をしているのだから「腕組みなんてしないで,ポイントをメモしたら...」と思うこともある。いずれにしても,腕組みをしながら聞くのはあまり良い印象は伝わってこない。
ところが,ミャンマーの熱気球遊覧観光で知られているバガン遺跡近くの学校の生徒さんたちが,学校訪問のお客さんを迎えるのに,整列して腕組みをしている写真を見た。写真の解説に「子供たちは腕組みをしてお客さんに敬意を表している」とあった。これが本当なら,まさに「所変われば品変わる」である。
でも,日本での生活では,先輩の諭をこれからも守ろうと思う。(H&M)
(2017年7月3日)