教育研究所
№673「素直さが必要なのでは...?」
何かあるたびに,「...,誤解を招きかけない発言をしたことをお詫びしなければならないと思っています」「もし誤解を与えることがあったとすれば,申し訳ないことだと考えています」「今回のことが,関係者にご迷惑をお掛けしたとすれば,申し訳ないとお詫びしたいと思っています」と,言うような釈明が行われる。
表面上は,「お詫びのカタチ(体裁)」をとっているものの,「誤解を与えたとすれば...」「...と思う」「...と考えている」ということで,率直に「お詫びします」とは言い切っていないこと,「ほんとは悪いと少しも反省せず,とりあえずこの場をすり抜けよう」という魂胆が透けて見える。
このような表現は,何も不祥事を起こしがちな人の傾向ではなく,私たちの日常の日本語の使い方の中に溢れかえっている。例えば,食レポの「これって,もちもちしていておいしいという感じです(→もちもちしてとてもおいしいです)」,感想を聞かれた子どもが「今日は自然の中で思い切り過ごせて,嬉しいという気持ちです(→とても嬉しかったです)」,関係者が「関係の子どもに悲しい思いをさせたとすれば,誠に申しわけない気持ちで,お詫びしたいと思います(→お詫び申し上げます)」などと。
もっと,物事,事態,不祥事,失敗などは,「誠実」に振り返り,「誠実」に対応し,「素直」に表現することが大切だと「思う」。(H&M)
(2017年7月6日)