教育研究所
№678「子どもの素晴らしい考え方」
久し振りに校内研究に参加させてもらった。A区立B小学校の6年C組のD先生の算数で,分数÷分数(2/5÷3/4)の計算の仕方を考える学習である。
とても意欲的に学習する子どもたちで,既習事項を活用して,次のような考え方が出た。
<Eさん>わられる数とわる数の両方に4をかけて,分数÷分数を,5年で学習した分数÷整数にした。2/5÷3/4=2/5×4÷3/4×4=2×4/5÷3=8/15
<Fさん>逆数を使ってわる数を1にしてみた。2/5÷3/4=2/5×4/3÷3/4×4/3=2/5×4/3÷1=2/5×4/3=2×4/5×3=8/15
わり算の性質を使って,見事に計算の仕方を考えだしている。ところが,もう一人,次の考え方をした子どもがいた。
<Gさん>小数にして考えてみた。2/5÷3/4=0.4÷0.75 小数÷少数で筆算してみたがうまくいかない。そこで,分数の形にしてみた。2/5÷3/4=0.4÷0.75=0.4/0.75=4/7.5=40/75=8/15
ところが,D先生は,「小数の分数ってあるのかしら,それに,小数のわり算にしたり,それをまた分数にしたり,ややこしいね」と,Gさんの考えを認めなかった。こんないい発想を認めないなんて「おしい!!」とうなってしまった。教科書にない考え方ではあるが,実に周到的である。ただし,2/7÷3/4や2/5÷4/9のような場合には,この考えはうまくいかない。だから,次に,これでは通用しないことがある等,今度はどうしたらいいかな? と発展的に考えさせて行けばいいのである。勿論,Gさんのような発想が出なかった場合には,あえてこれを話題にする必要はない。(YAYU)
(2017年7月13日)