教育研究所
№679「人を見る目」
いつもより少し早めに起きて,洗顔と歯磨きを終えて出てくると,「ジージに用があるらしく,私が呼んでも来ないのよ」と,老妻。私を先導するように猫部屋に歩き出した。これは,餌か,水か,毛繕いだなと思ってついて行った。やっぱり水だった。暑くなると喉が渇くらしい。冷たい水をあげると,ピチャピチャと飲んで満足そうに欠伸をした。
そのあと,呼ばれもしないのに老妻の方にのそのそと歩み寄り,膝の上に乗って,ゆったりしている。「全く,このネコめ!」,猫のくせに「人を見て」うまく立ち回っている。
私は生活の面倒,老妻には甘え,孫兄弟には遊び相手を割り当てているかのようだ。時として先輩から「人を見る目」が必要だと諭されることがあるが,我が家の猫には既に「人を見る目」が備わっているらしい。(K・H)
(2017年7月14日)