教育研究所
№690「招致機運後退・岐路の五輪」
オリンピック・パラリンピックの開催について,最近の新聞が,「招致希望の辞退都市相次ぐIOCに試練!」と大見出しで報じている。
昭和39年(1964年)の第1回東京オリンピックは,異常なほど盛り上がった。小学校の運動会では,聖火リレーや聖火台もどきの仕掛けで,子供も保護者も地域も大騒ぎをしたものである。大学最終学年で,就活をしながらも時間を見つけてはTVの実況放送に見入っていた。
現在,国を挙げてオリンピック・パラリンピック教育を各学校に呼びかけ,実際に行われておるが,子供たちや保護者・地域住民の関心は思ったように燃え上っていないように見受けられる。
JOC,実行委員会の某大物,国の担当者の某大臣,近隣県知事,東京都知事が3:1で,思惑が複雑に絡み合い,微妙のずれがあり,これをTVや新聞報道で見聞きする国民は,「本当に,東京五輪・パラリンピックを成功させようと思っているのか?」と疑心暗鬼になっていると思う。
このゴタゴタと予算膨大化を見ていたら,五輪招致を辞退する都市が増えるのも致し方ないと思う。クーベルタン男爵の「オリンピックは参加することに意義がある」をもう一度振り返って,「経済効果第一主義」を見直すことができないだろうか。ともかく,心から世界の選手やお客さんを迎えたいし,国を問わず頑張った選手を称えたい。(H&M)
(2017年8月9日)