教育研究所
№701「万華鏡」
子供の頃,縁日で買った万華鏡をのぞいて楽しんだものである。小学生の孫は,子ども新聞で読んで,見よう見まねで万華鏡を手作りし,得意になって家族に「きれいだよ!のぞいてごらん」と,自慢している。
ところで,今年の全国学力テストの中学校数学科B問題に「万華鏡の問題」が出題された。三角形の模様の回転移動について文章で説明させる問題で,図形どうしを比べてよく観察し,特徴を捉えるのだが,「回転の方向」と「角度」を正しく説明できていない曖昧な解答が目立ち,正答率は,なんと14.8%と低かったそうだ。
問題は省略(日本経済新聞2017年8月29日31面に掲載)するが,正答は「四角形ABCDを点Bを回転の中心として,時計回りに120°回転移動した図形は,四角形GBEFに重なる」または「四角形ABCDを点Bを回転の中心として,時計回りに120°回転させると四角形GBEFに重なる」ということになる。多くの誤答は,「点Bを回転の中心」「時計回り」「120°回転移動」が抜けているものであった。日頃の授業で,生徒の曖昧な思考や不十分な表現を見過ごしてきた「教師の指導が原因の誤答であろう」という指摘は厳しすぎるだろうか。(ちなみに,我が家に遊びに来ていた小6の子供たちの多くは,これをこうすれば重なると,動作的には答えられた。)(K・H)
(2017年9月6日)