教育研究所
№716「富士山学習」
東京都T区立N小学校で文部科学省の教育開発学校として,総合的な学習の時間の「学校の目標」「指導内容」「単元開発」「授業づくり」に取り組んだのは,平成11~13年のことであった。大事にしたのは,「各教科等の学習で身に付けた知識・技能,思考力・判断力・表現力,活用力,意欲的な学習態度」であった。従って,総合的な学習の時間の単元の指導計画では,各教科等の学習との関連的・横断的・統合的な展開を重視した。当時,この実践を収録した「みがく・かかわる・みらいを拓く2002教育プラン」を1000部作製したところ,公開発表会当日に全て掃けてしまったことを懐かしく思い出す。
ところで,15年前とごく最近,静岡県富士宮市の総合的な学習の時間「富士山学習」に接する機会を得て,多くのことを学び,随分進化していると得るものがたくさんあった。
15年前は,研究発表会に招かれたが,台風の影響で授業公開は急遽中止され,研究報告だけだった。今でいえば,「地域の人的・文化的・歴史的・物的資源である富士山」から学ぶ学習で,当時としても質の高い創造性の高い実践であったように記憶している。
最近,夏の研修会に招かれて,更に進化している「富士山学習」に出合うことができた。新学習指導要領が告示された直後の研修会であったが,「各教科等で身に付けた資質・能力」や「主体的・対話的で深い学び」,「ICTの活用」などを,組み入れてさらなる進化を目指していることに驚いた。天笠茂先生の指導を得ていると伺い,さもありなんと思いつつ,富士宮市の教師集団の創造的な取り組みに頭が下がった。(K・H)
(2017年9月29日)