教育研究所
№717「最先端の経営学」
最近読んだ本の表題は,騙し商法でよく用いられる「看板に偽りあり」OR「看板倒れ」と思われるような「ビジネススクールでは,学べない世界最先端の経営学(日経PB社本体1800円)」である。でも,大手K企業に勤めるY氏から勧められたので,学校にも「学校経営」があり,「学年経営・学級経営」があるから何か役立つことがあるのではないかと,シブシブ読んだ。
Part1:今最先端の経営学:第1章「なぜビジネススクールでは最先端の経営学は学べないのか」第2章:「経営学は役に立たないについて2つの誤解」。Part2:競争戦略の誤解:第3章:「あなたの会社の戦略がうまくいかない,最も根本的な理由」,第4章:「成功しやすいビジネスモデルの条件とは何か」。Part3:先端イノベーション理論と日本企業:第5・6・7章(略)。Part4:最先端の組織学習論:第8・9・10章(略)。Part5:グローバルという幻想:第11・12章(略)。Part6:働く女性の経営学:第13・14章(略)。Part7:科学的に見るリーダーシップ:第15章「これからのリーダーシップに向くのは,どのような人か」,第16章:「成功するリーダーに共通する話法とは」。Part8:同族企業とCSRの功罪:第17・18章(略)。Part9:企業活性化の経営理論:第19・20・21章(略)。Part10:やはり不毛な経営学:第22章:「儲かる理由手結局なに?を突き詰める学者たち」,第23章:「リソース・ベスト・ビューが捉えきれないこととは何か」。Part11:海外経営大学院の知られざる実態:第24章:「ハーバードを見て,米国のビジネススクールと思うなかれ」,第25章:「米国の大学の裏事情は,中国人が一番知っている」,第26章:「来たれ!世界最先端の経営学を語る人材よ」と,読み終えるのにずいぶん時間がかかった。でも,Y氏がページに折り目を付けたり,傍線を引いたり,丸で囲んだりしたところに留意して読んだお蔭で,ナビに助けられた思いであった。
結論を言えば,「なるほど!!」と思った部分が,複数あった。学校においても,リーダー(校長,副校長・教頭,主幹教諭,各種主任など)が,大切だと思うととともに,自分は万能ではないことを自覚し,メンバーの能力を吸い上げ,想像力を刺激することが大切だと思った。
別の会社に勤める友人K氏は,「売れるものを作れ!」「これからはデジタル・AIの時代だ。デジタルはもちろん,AIを内蔵した製品中心に切り替えろ!」と,いつも怒鳴って強いリーダーシップを発揮しているトップに戸惑っているので,本書を勧めてみた。K氏曰く「俺じゃないよ,社長に勧めてよ!」と。アマゾンのPRを装って,本書を郵送してもいいかもしれない。(K・H)
(2017年10月2日)