教育研究所
№724「脳とコンピュータ」
今から33年前の本「脳は脳を理解できるか(デヴィット・ヒューベル著 日経サイエンス社)」という本を見つけて読んだ。
この中に,「脳とコンピュータの比較」という章がある。著者(当時ハーバード大学医学部神経生物学主任教授)は,「脳とコンピュータは十分に比較できる」とし,神経生物学者は「脳は化学で理解できる性質を持った機械とみなすことができる」としながらも全てに同意しているというわけではないとしている。ところが「コンピュータは単に機械であり,それ以上のものではない」では一致しているそうだ。
随分,コンピュータを軽く見ていたようだ。あらゆる分野にAI(人工知能)がその力を発揮し,AI自体が学習してさらに進化している現状を見て,デヴィット・ヒューベル氏はどのように思っているだろうか。また,現在の脳科学者の見解(見通し,人間の在り方)を聞いてみたいものである。実は,人間はAIに超され,「AIに支配されるようになるのではないか?」と少なからず不安を感じるからである。 (H&M)
(2017年10月20日)