教育研究所
№726「初めてと思っていたのに・・・」
中教審答申をはじめ教育雑誌はカタカナ語が氾濫している。「これは,どういう意味(だった)かな?」と,ふと立ち止まることが一度や二度ではない。そこで,教育出版・教育研究所が,教師力アップへの挑戦・学び続ける教師「今どきの『カタカナ語』これでスッキリ」(教育情報シリーズ170号)を出した。
これが注目されて,教育新聞のコラムに取り上げられる状況になった。「さもありなん...」といい気持ちになっていた。ところが,友人から「こういうのがあるよ!」と,「初版東京学芸大学教職大学院キーワード・カタカナ語事典2013年版」(教職大学院キーワード・カタカナ語事典編纂委員会,編集委員長佐々木典子・顧問成田喜一郎)を渡され,偶然のアイデアの類似に驚いた。さすが東京学芸大学教職大学院で,研究所がざっくりわかる程度のものなのに,学問的でがっちりしている。
逆もある。ポリアの「いかに問題を解くか」(昭和29年柿内訳・丸善)の頃から「問題解決学習」と言ってそれがず~っと続いていた。私たちの算数グループでは,平成7年頃から「教師が一方的に与えた問題」だけでなく「子供が見つけた問題」を解決することも必要で,「問題発見・解決学習」と言うようになった。勿論,「何か違和感がある」と言う仲間もいた。ところが,新学習指導要領に向けて中教審の審議が始まると,「問題発見解決学習」と盛んに言われるようになった。別に,どうという問題ではないが。(H・K)
(2017年10月24日)