教育研究所
№729「緑洲賓館OASIS HOTELのこと」
平成8年8月にパック旅行で老妻とシルクロードに行ったことがある。先日,Y新聞の「遣唐使が歩んだ仏の道(中国河南省洛陽の世界遺産・龍門石屈の廬舎那仏)」が目に留まり,「もしかしたら行った所かな?」と思い,当時の旅行記で確かめたが,訪ねてはいなかった。敦煌の莫高窟だった。西安は観光したのに,洛陽には行かなかった様だ。機会があれば,訪ねてみたいものだ。
ところで,8月12日に宿泊した緑洲賓館(OASIS HOTEL)の部屋の便箋のメモが出てきた。それを読んで,20年前のことを懐かしく思い返した。「辺境シルクロードの中継地,オアシスの町である。住民は明るく屈託がない。このような厳しい地でも,それに応じて豊かに暮らしている様に,ヒトの幸せとは何たるかを思う。余りにも合理・論理の世界に住み慣れた,一見豊かで幸せに見える日々を考えてしまった」と感想を書きつつ,また「私には確かに迷いがありました。何に迷っていたかは誰にも言えません。自分との戦いなのですから。でも,仕事のためにそうしなければならないことは何とも辛いことです。自分のことなのに,自分ではどうしようもできないのです。この次生まれてきたらやはり教師になります。でも,もう一所懸命することはしません。リーダーは寂しいです。辛いです。一人の,子供と汗みどろに過ごす普通の教師になりたいのです。」と。今は,あと何年で90歳になるかなと数える後期高齢者になってしまい,能天気な毎日を送っています。(H・K)
(2017年11月9日)