教育研究所
№735「授業アイディア例」
研究授業の指導案の作成は,今も昔も「工夫した指導案」を作成し,「提案性のあるいい授業」を公開したいと誰もが悩むものである。
大昔は,各学校の研究紀要の中から同じ単元の指導案を探したり,先輩の指導案を借りたり,知り合いの指導案を見せて貰ったりして,悪戦苦闘をして作成したものである。昔は,これらに加えて,文部省の指導書(現在は解説○○編)を引用し,使用教科書の指導書の指導案例や,出版社の実践例を参考にし,「写した」ということがばれないように柱立てや表現,展開,教材などを変えたものである。そのうち,何となく自分流の指導案が作成できるようになった。
今の特に若い先生方はネットで検索し,始めから「完成度の高い指導案」を作成するのが得意である。また,自分流らしく見える指導案もネットで検索した複数の情報をコピペ(コピー&ペースト)して作成している「見事な指導案」に出合うことも少なくない。よく理解しないままの指導案なので,実際の授業はこれとかけ離れたもので,コメントに困る場合が多い。
ICTを活用し,現代的に作成することはいいとしても,子供に「自分はこのような学習をさせたい」という思いがあり,だから「このような学習活動(指導)を展開したい」となり,そのために「このような教材で...」「このようなALで...」「このように指導と評価の一体化をしたい...」というように,今一歩自分の「努力(工夫・改善)」を加えてほしいと思う。歴史が語っているように,現実を,創造的に進化させるのは,いつも未熟な若者である。(注:国立教育政策研究所教育課程研究センターや各教育委員会作成の,紙ベースの授業アイディア例も捨てたものではない。精読すると,具体的なものが得られる。勿論,httpで検索しても同じ情報が入手できる) (H&M)
(2017年11月17日)