教育研究所
№736「理想の貧困」
職場の机上に「理想の貧困」という妙なタイトルのついたコピーが載っていました。メモに,「Kさんへ,いちゃもんをつける材料を提供します。M」と,書いてありました。
「理想の貧困の条件」は,「ホームレスの子供版である」「服は汚れ,破れ,みすぼらしい」「飢えて草や段ボールなどを食べている」「風呂に入っていない」「パッと見て,貧困と分かる」と言うことである(コピーが手元にないので,記憶に基づく曖昧な要約)。
「理想の貧困」の「理想」という表現はいかがなものか? 「貧困のイメージ」,あるいは「貧困と見える状況」,「貧困の様相」,「本当の貧困」くらいではどうか。あってほしくない状況を「理想」と称することに抵抗がある。
でも,これらは,ずいぶん昔の様相であり,このような場合は,公的支援を受けるようにすることが必要である。このような状況にある人は,誰はばかることなく当然の権利として生活保護を申請するよう勧めたい。そして,もし,うまくいくようになったら,似たような状況の他の人に自分にできる支援の手を差し伸べてほしい。
今,「子どもの貧困」で課題になっていることは,経済的な面は勿論であるがこれだけではなく,虐待(暴力,暴言,セクハラ,人権侵害など)など保護者の愛情が受けられない,育児・養育・家庭教育を放棄(neglect=ネグレクト)されているなど,もっと,現在の子どもの置かれている状況に応じた分析と対応が求められる。 (K・H)
(2017年11月20日)