教育研究所
№738「BOKEには,ついていけない...」
現行学習指導要領(平成20年3月告示)では,小学校算数科は「数学的な考え方」,中学校数学科は「数学的な見方や考え方」と言い,児童(生徒)指導要領の観点別学習状況の観点としても同様に称してきた。
当時,文科省が示した指導要録の観点の趣旨によると,算数科の数学的な考え方を「日常の事象を数理的にとらえ,見通しをもち筋道立てて考え表現したり,そのことから考えを深めたりするなど,数学的な考え方を身に付けている」,数学科の数学的な見方や考え方を「事象を数学的にとらえて論理的に考察し表現したり,その過程を振り返って考えを深めたりするなど,数学的な見方や考え方を身に付けている」と,その内容を解説している。
ところで,中教審答申(平成28年12月21日)では,数学的な見方・考え方を「事象を数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え,根拠を基に筋道立てて考え,統合的・発展的に考えること」と示した。新学習指導要領(平成29年3月31日告示)では,それを受け,算数科の目標は「数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動通して,数学的に考える資質・能力を次のとおり育成することを目指する。(1)略,(2)略,(3)略」と,数学科の目標も「同。(1)略,(2)略,(3)略」と同じ構造で示した。(注:(1)は知識・理解,(2)思考力・判断力・表現力等,(3)意欲的に学習に取り組む態度で,内容は小中で異なる。)
また,解説(平成29年6月,7月)では数学的な見方・考え方を,算数編と数学編ともに中教審答申と同様に説明している。
近く,児童(生徒)指導要録に関する文科省の通知が出るといわれているが,このあたりのことが早く明確になるようにと,(90迄あと何年と齢を数える身にとっては)秘かに期待しているところである。(K・H)
(2017年11月22日)