教育研究所
№743「指を使った九九」
昔ヨーロッパの農民が使っていたと言われている指を使った九九(ただし,被乗数も乗数も6以上の場合に限る)の仕方を紹介します。
小指6,薬指7,中指8,人差し指9,親指10とします。6×9は次のようにします。自分の方に両手を広げ,左手の6の指を折り,右手の6789の指を折ります。折った指1本は10と考えて10+40=50,折っていない指は1と考えてかけ算をして4×1=4とし,両方を足して50+4=54とします。つまり,6×9=54と求められます。
9×8はどうしますか?自分の方に両手を広げ,左手の6789の指を折り,右手の678の指を折ります。折った指1本は10と考えて40+30=70,折っていない指は1と考えてかけ算をして1×2=2とし,両方を足して70+2=72とします。つまり,9×8=72と求められます。(実はこのやり方は,昭和51年当時に東村山市にあった教育社「第4学年トレーニングペーパー」6月号p11に,トピック記事として紹介したものです)
ところが,最近,新聞で「両手でわかる九九の解」と言う記事を読みました。それによると,考え方は同じですが,やり方がちょっと違う方法が紹介されていました。9×8で説明していました。それによると,両手を広げて9と10の差が1なので左手の指を1本折る。8と10の差は2なので右手の指を2本折る。立っている指は4+3=7で十の位,折っている指は1×2=2で一の位,よって9×8=72となります(読売新聞2017年10月25日サイエンスナビゲーター桜井進「週刊たま手箱」)。
新聞には,なぜ九九の答えが指を使って求められるかを,図と式を使って数学的にわかりやすく解説してあります。(YAYU)
(2017年11月30日)