教育研究所
№750「PDCA批判」
学校改革や授業改善のの課題は,「PDCAサイクルによるマネジメント(P計画を立て,D実施し,C検討(評価)し,A改善し,次のPに生かす)」という「過去からの学習」からの脱却だと,親しい友人からきいた。
それは,これまでのPDCAは,過去の成功体験に基づく「シングル・ループ学習」である。P計画とその前提となる方針や考え方との間に,前提そのものをC評価する新しいループを構築する「ダブル・ループ学習」が必要で,過去の経験に縛られた「メンタル・モデル(「こうしたらこうなる」というような何かに対して見通しを立てるために持った(持っている)仮設)」の修正をして,将来(未来)のこうあってほしいという状況に応じた新しいP計画を立案するために,前提の再構築が必要だと,得意気に語ってくれた。
なるほどと思う反面,P計画は目的・目標を確認し,新しく加えるべきは加え,前よりは良くなることを意識して具体的に進めている。D実施では,実施しながらその進捗状況を確認し,不足や新規の取組を考えて,小さなpdcaをしている。C評価では,計画の成果にとどまらず,課題(問題点)の把握と改善策,中止・廃止の判断,将来や社会等の動向を踏まえた新規導入の必要性等の判断をしている。その上に立って,A改善策を検討しているのである。当然,従前の経験則,現在のC評価の結果,加えて将来を見通した様々な情報収集(Rリサーチ)をあれこれした結果,次のP計画に繋げていると反論した。
というようなことを,友人と話しながら飲んでいたら,つい飲み過ぎてしまった。出典を知らせてくれると約束して,この日はお開きにした。「過去からの学習」だけにならないよう心したいと,アルコール満杯の頭に言い聞かせた。 (H&M)
(2017年12月11日)