教育研究所
№757「安易な責任転嫁?」
集団登校で,遅れてきた1年生に先輩の6年生が「遅刻するから,走って・・・」と促したら,母親が「もし転んで怪我をしたらどうするの!」と6年生を叱ったそうな。このことに次のような見解と動きがあったそうだ。(注:愛読している「週刊内外教育」の記事を読んで。ただし,高齢化のため記憶が曖昧)
★1「ゆとり教育の時代に育った母親だ・・・。自主性尊重と管理教育の履き違えだ」,★2このことを聞いた母親たちの代表が,この母親に,「遅れないように5分早く家を出したらどうか」と提案し,解決し,子供たちは何事もなかったかのように楽しく登校している。
これについて,私は過去の苦い体験を思い出した。A教員の「行き過ぎた子供の自主性尊重」が,我儘な子供の横行を認めることになり学級が崩壊し,普通の子供が息苦しくなってしまった。自主性は,教師の適切な教育のもとに育成されるものであると実感した。
この保護者たちの行動は,素晴らしい「問題解決能力」である。こういう保護者達がいる限り,子供たちはすくすくと成長して行くであろう。また,冷静に他の母親の忠告を聞き入れ,改めた母親も素晴らしい。
ところで,この母親の最初の言動を「ゆとり教育のせいだ」と結論づけたのは,「安易な責任転嫁」だと感じた。「少なく教えて,徹底的に考えさせよう」と聞いていたが,現在の時間割の中に入りきれない状況が,また「少なく教えて,徹底的に考えさせよう」ということを考えざるをえない時が来ることはないのだろうか?(H&M)
(2017年12月20日)