教育研究所
№764「無意識の模倣」
若手教員の研修会に招かれて,学級経営や授業の基本を話す機会がかなりある。その際,学級経営では「3かけ」即ち「目をかける,心をかける,手間をかける(はじめは,「手をかける)と言っていたが別の意味に誤解される恐れがあり変更した)」を,授業では「子供の反応◎○△▲?(自力で完璧にできる,自力でなんとかできる,いい方向に進んでいるがつまずいている,懸命に取り組んでいるが行き詰まっている,どうしたらよいかわからない)を捉え,それぞれに応じた支援をすることがポイント」と話すことにしている。
管理職になった時も,どの学校でも全教員に「3かけ」を強調してきた。授業観察や研究授業では,「指導と評価と支援の一体化(子供の反応◎○△▲?を捉え,それぞれに応じた支援)」を重視してきた。
ところで最近,東京都立教育研究所(所長奥田真丈)が1986年3月に発行した「校内研究・研修資料(小学校用)」p22に,A小学校長の言葉「心にかけ・声をかけ・手塩にかける」が紹介されていることに気づいた。
自分はある時,ふと思いついたものとして,前述のように半ば得意になって語り続けて来たことを恥じ入った次第である。ちょうど1986年頃,東京都立教育研究所界隈をウロウロして学んでいたので,その頃目にしたことをすっかり忘れ,無意識に模倣していたのだろう。表現は少し異なるが,真意は同じである。自分独自のことを創り出すことは難しいものだと実感しているところである。(H・K)
(2018年1月5日)
※あけましておめでとうございます。本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。