教育研究所
№768「学級通信」
保護者向けに出す「学級通信」についての調査結果(公益財団法人理想教育財団,保護者対象,回収率57%600人強)をみて,いくつか考えさせられた。
まず,77%が,学級通信を発行していると回答しているということに驚いている。自分の個人的体験でも「学級通信を発行している担任は,ほんの少数である」「ほとんどが学年通信で済ませており,年間何回かの学級通信がせいぜいである」という状況であったし,周りの校長先生方への取材でも同様で,ほとんど発行していないという実態である。
それよりも,もっと驚いたのは,「必ず読む:小学校81%,中学校56%」「時々読む:小学校11%,中学校28%」「たまに読む:小学校7%,中学校11%」「読まない:小学校1%,中学校4%」という回答である。必要感や内容はともあれ,子供の学級の通信ならば「必ず読むだろう(読むべき)」と思うはずなのに,この結果に唖然とした。
学校便りにしろ,学年通信にしろ,学級通信にしろ,学校が出したのだから,保護者は全員目を通してくれると思うのは,学校目線の考えである。保護者の望んでいる知りたい内容「授業や学校生活の様子71%」「週・月予定63%」「学級活動・学校行事への取組61%」「子供や保護者へのお願い48%」「子供たちの写真27%」「コラム(担任のひとこと・日記等)22%」「学級経営方針・教育観16%」にもっと対応すべきかもしれない。
校長時代,毎日,学級通信を出す担任に,少し回数を減らして,「子供のノートや作文を丁寧に見てあげたほうがいいよ!」と,強く指導したことを懐かしく思い出している。(H&M)
(2018年1月12日)