教育研究所
№783「素晴らしかった!多摩研の教育相談室」
過去形にしたのは,今は東京都立多摩教育研究所(略称多摩研)は閉鎖され存在しないからである。もちろん教育相談室も。今から20年前(平成10年2月15日)に教育相談室が研究・発行した「学校の楽しさをめぐって」というわずか12頁の小冊子がある。
久しぶりに読み返してみた。小・中学校の子供たちを十把一絡げにしてみるのではなく,児童・生徒の特性を「いきいき群」「まじめ群」「ひかえめ群」「ままま群」に類別し,それぞれに応じた指導,対応,支援を具体的に簡潔に示している。さすが,教育相談の専門家らしい鋭く温かい内容である。今,読み返しても学ぶことが溢れるほどある。
私は,当時(平成7年4月1日~平成10年3月31日),多摩研に勤務していた。この小冊子が潜在的にどこかに残っていたのだと思う。ユニバーサルデザイン(UD)による学級経営や授業づくりを考えた際に,「困った子ではなく,困っている子」(教育出版教育研究所・教育情報シリーズ161号)という視点を設けた。「困っている子」の「困っていること」に対応した指導,支援,対応が必要だと思ったからである。
でも!なんてことはない,教育相談室のメンバーが究明してくれたことをコピペしたに過ぎなかったのだ。「所長!......」と甘辛の発想,意見,提案をしてくれた当時のメンバーに改めてお礼を言いたい心境である。感謝・合掌。 (H・K)
(2018年2月7日)