教育研究所
№784「物事の立ち位置」
アスリートがライバルの飲み物に薬物を注入した事件が報じられた。フェアであることが当然の世界の出来事だっただけに,正直びっくりした。
物事に対する立ち位置は様々であろう。「相手の良い所」を見つけて学ぶ。これは,学習や努力によって自分を成長させる流れを作ることになる。
一方,「欠点」を見つけ攻撃をして溜飲を下げる,あるいは,噂話やSNS,LINEで偽情報や個人情報を流す,足を引っ張る,いじめ,誹謗中傷などをして,自分を「優位」に置こうとする。これは,自分(自国)に不利なことがあると,他人(他国)の欠点(らしきこと)を喧伝して,有利にまたは保身を図ることに似ている。これでは,相手を一時的に苦しめることはあっても(できても),悲しいかな自分(自国)の成長・進歩は望むべくもない。
薬物混入の発想は,後者に当たるものであろう。(ハンマー投げの室伏選手が「自分は飲食物の管理に注意している。自己責任である」と言っていたが,努力と工夫によって相手を超えるというアスリートばかりではないということの警戒心が必要ということか?)
学校では(先生方は),競争原理は「必要最小限」にしてほしいし,相手より上手になりたいとき,相手に勝ちたいとき,...は,自分の工夫と努力によって「相手より上手になること」,「相手より強くなること(できるようになること)」を選択する価値観を育んでいただきたいと切に願うものである。(H&M)
(2018年2月8日)