教育研究所
№786「字の間違い」
漢字の書き取りで,孫は「精神」を「精心」,「労働」を「労動」等のように間違えて,困ったものである。頭の中の変換の誤作動が原因なのであろう。そこで,先生は,漢字の繰り返しドリルを毎日宿題に出すことになる。
ところで,ある本を読んでいたら,「このような難しいことは,数字者にしかわからない」とあった。明らかに「数学者」の間違いである。パソコンで文を書く時代に,なぜこのような誤字が生じたのであろうか。活字を拾って印刷する時代なら「数学者」を「教学者」と言うのはよくあった。たぶん,数学の「学」を「字」見間違えて「すうじしゃ」とキーを叩いたものであろう。勿論,見直しをよくしなかった「校正ミス」によるものでもある。
パソコンによる文章作りには面白い誤変換がある。「教養がある」と「今日用がある」,「文化」と「分化」,「再度」と「サイド」と「side」と「差緯度」,「政治活動」と「政治家集う」,「醜聞」と「秋分」と「修文」,「人権」と「人絹」と「人件」,「感じ」と「漢字」と「幹事」と「監事」,「雨天」と「打てん」,「全身」と「前進」と「善心」と「漸進」,「中小」と「中傷」と「抽象」と「中称」と「中焦」と「仲商」等々,あきれ笑いこけることが少なくない。結局は読み書きの基礎と,見直しが大切ということであろう。(H・K)
(2018年2月13日)