教育研究所
№793「誰か教えて,後期高齢者の疑問?-2」
「個人情報漏洩」により「プライバシーが侵害された」と,Z市に対して慰謝料110万円支払いの判決が出た。後期高齢者の疑問は次の2点である。皆さんはどうお考えですか。時間に余裕がありましたら是非教えてください。
裁判長は,「被害者の住所は生命身体の安全にかかわる重要な情報。被害者が受けた精神的苦痛は多大と指摘」,ただ「職員はうその申し出を受けて情報を漏洩しており,加害者の真の目的を知らなかったのだから判決の慰謝料額は妥当だ」と説明した。
その1:前半の「被害者が受けた精神的苦痛は多大と指摘」は?である。被害者は命を奪われているのに,「精神的苦痛」とはどういうことだろうか。
その2:後半の「職員はうその申し出を受けて情報を漏洩しており,加害者の真の目的を知らなかった」も?である。「うその申し出」というが,「殺人をしたいので」などと,本当のことを言うはずがない。事前に情報保護の手続きをしており「うその申し出」も想定して保護に努めるべきである。もっと?なのは,「探偵が夫の名を名乗り住所を聞き出す」ということに,なんの「?」を感じなかったことである。「同居している夫が,妻の住所を聞く必然性があるのか?」と疑問に思い,慎重に対応しなかったのか。
ところで,この件をTVと新聞で知り,C県のK市とそこを管轄する税務署の対応を思い出した。あることがあり,所在不明の隣地の所有者の居所をどうしても知る必要があった。こちらの身分を明確に示し「なぜ知りたいか理由」を告げても,市役所でも税務署でも「個人情報保護」を理由に教えてもらえなかった。その時は「なんて杓子定規な」と「ムッ!」としたが,K市役所と税務署の対応に納得せざるを得なかった。(YAYU)
(2018年2月22日)