教育研究所
№796「素敵な月食だったが...」
2018年2月1日,午後9時~10時に3年ぶりに皆既月食があった。家族みんなで縁側のガラス窓越しに楽しく観察し,ばっちりとデジカメで撮影した。
その直後,友人からも月食の写真がメールで数葉送信してきた。刻々と浸食していく様が撮れていて見事なものだった。孫たちは,プリントアウトして日記帳に貼って感想を綴っていた。
ここまではよかったが,翌日,20歳の家族「猫のアビちゃん」が静かに息を引き取って,天国へ召されていった。孫たちは,赤ちゃんの頃から猫と仲良しで,宿題をするときも,ゲームをするときも,本を読むときも,いつも膝の上に「アビちゃん」がいた。「アビちゃん」は,まだ眼の開かない頃に友人から譲り受け,哺乳瓶でお乳をのませながら育てただけに,家族の言葉がある程度わかり,人間6人+一匹の家族として過ごした。家族の言葉がある程度わかり,「ゴニャン(御飯)」と「ニャニャ(ブラシで毛をすいて)」と甘えることが常だった。暫く前から弱々しくなり,点滴をしたり,高齢者(猫)用の餌に変えたり,湯たんぽを入れたりしていたが,大往生であった。あの世で,大先輩の「ミルク(ミルクのような白い猫)」や「ニヤ君(ニヤニヤ鳴く甘えん坊)」と,楽しく遊びな。合掌・深く礼。
反抗期であれこれ我儘を言う孫たちも,この日ばかりは「しんみり」してお線香をあげ,両手を合わせていた。「月食がアビちゃんを迎えにきたのかな...」と涙目で寂しげにつぶやきながら。 (H・K)
(2018年2月27日)