教育研究所
№800「イワシの思い出」
青森県横浜町の海岸にイワシが何千尾も打ち寄せられたというニュースを見た。長~い肩書の水産研究・教育機構東北区水産研究所八戸庁舎主任A氏によると,「確定的なことは言えないが,海水温の異常低下が原因では?」ということであった。(このイワシは傷んでいるようなので食べないほうがいいそうだ,念のため。)
ところで,昭和20年代,伊豆七島の小さな島に生まれ幼少年時代を過ごした。戦後の食糧難の時代で,「今日は何もないからイワシにするか。あんちゃん,Yちゃん,浜へ行ってイワシを拾ってきて!」と,母親に言われ,妹と浜辺に言ってイワシ拾いをした。
カツオに追われたイワシが波打ち際まで逃げて,磯に打ち上げられ,ピチャピチャと跳ねていて面白いように取れ,たちまちバケツ一杯になった。
「ヨッコラショ,ヨッコラショ...」と妹と思いバケツを持ち帰った。隣近所数軒にも分けてあげて「ありがとう!助かるわ」とほめられた。その日の夕餉は,イワシの丸焼きと煮つけであった。そこらじゅうがイワシの香りでいっぱいであった。
そんな,豊かではなかったが,隣近所がまるで親戚のような関係であったことを懐かしく思い出した。(K・H)
(2018年3月5日)