教育研究所
№810「情報は確認を...」
NHKの記者だった塚田祐之氏は,著書で「情報を疑う(確かめる)」ことを勧めている。インターネットで,いとも簡単に必要な情報が得られるようになったが,「事実の確認の大切さ」を力説している。
フェイクニュース(fake news)についても言及し,事実と異なるニュース,虚偽と分かっていて故意に流す架空(嘘)のニュースなどがあり,国際問題の際にも話題になっている。
塚田氏は報道記事を書くに当たって常に,5W1H(Whenいつ,Whereどこで,What何を,Who誰が,Whyなぜ,Howどうやって)を大切にしてきたそうである。そういえば,1977年頃,朝日新聞のA記者に同行して中国に旅行したことがあった。その際,B小学校を訪問してそのレポートを書いたとき,私のたんなる印象記に比べて,A記者の素晴らしい描写に舌を巻いたことがある。今から考えれば,目の前で先生と子供たちが展開する事柄一つ一つを5W1Hで観察し,その事実を客観的に捉えていたのだとつくづく思った。
ところで,私たちは何か情報を得ようとするとき,ネットで検索するが,これは「あたり」を付けることだと考え,「確認すること」が重要だと塚田氏は警告している。この「確認すること」では,その人の知見が必要だという。確かな既有知識に照らしてみる,複数の関連情報を引き出してみる,異なる意見にも着目してみるなどが重要だという。自分に都合の良い情報,自分と同じ考え方の情報が確からしく見えることがあるので,より留意したい。(H&M)
(2018年3月22日)