教育研究所
№820「自分を好きだと言えますか?」
日本の子供たちは,教師や保護者など大人が「良い子(完璧)」を求めるものだから相当に自信のある子供以外は「自分を好きだ!」「自分に自信がある!」「自分にはいいところがある!」とは答えないのだそうだ。
そこで,「全体より部分(全体が完璧にできたかどうかでなく,よくできた小さな部分を認めて褒めよう)」ということが,大事だと思う。と言いながら,自分でもなかなか実行できないのだが...。
月刊誌「児童心理2018年4月号」(金子書房・本体848円)で,「自分を好きと言える子に」を特集している。子供の多くは,「うまくいくだろうか?」「これでいいだろうか?」「失敗したらどうしよう!」などと,自信のない子は,自分をネガティブにとらえがちである。特集では「自分をポジティブに受け止める子をどう育てるか」を扱っている。
新学習指導要領では,学習評価を,「その子の良い点や頑張ったこと,進歩したことを大事にしていこう(特に道徳科の評価では,数値で評価しない,文章で記述する,他の子供と比較しない,良い点や進歩を積極的に評価する等)」を提言している。これを,単なる掛け言葉や配慮事項と捉えず,毎日・毎時間の授業の中で実行したいものである。
本誌では,「自分を好きになること」「自分を愛する心が育つこと」「自己評価・自己肯定感」「自尊感情の育成」をはじめ,教師の子供との向き合い方,学級経営などについて具体的に解説し,提案している。
学年(学期)始めの4月に際し,「自分に自信を持ち(少なくとも不安のためにしり込みすることなく)」何事にも取り組んでいく学級経営,学習指導,生徒指導等に取り組んでいただきたいと期待しているところである。(H&M)
(2018年4月6日)