教育研究所
№832「いいところもあるよ!」
ある先生の回想です。Aさんの答えが間違っていると,B先生は大きな×をつけた。〇をつけてもらったCさんは,「あ~よかった。僕のは合っていた」と大喜びをしていた。
ところが,それを見ていたDさんは,先生に,「A君は,答えは間違っていたけれど,図は正しくかけているよ。私が先生ならそこに〇をしてあげるな。そうしたら,いつも×ばかりのA君も〇がもらえてうれしくなると思うよ!」といった。
Dさんは「すごいな!」と感心してしまった。でも,子供の直感的判断に批判されたB先生は,「そうだな,もっとよく見て,正しい所には〇をつけるようにしよう」と受け入れた。
そのあと,B先生は,全体の正しさ(完璧な正解)ではなく,正しい部分があれば,それぞれに〇をつけることにしたそうだ。そうしたら,子供たちは意欲的になり,答えだけでなく,答えを導き出す過程(部分)にも気をつけるようになったそうだ。
それ以来,B先生は「全体より部分」を心がけているそうである。Dさんの素直な見方と発言は素晴らしい。それにもまして,子供の声の中から「大事な事」を導き出し,即自分を軌道修正したB先生のセンスも素晴らしい。 (H&M)
(2018年4月24日)