教育研究所
№839「ガンプラの開発」
「春眠暁を覚えず」という状態で,TVで「ガンプラ」に関する放送を聞き流していた。「ガンプラ」ですか? いまだ人気の衰えない「ロボット戦士ガンダムのプラモデル」のことである。
実は,日本のA社は,今までの90パーツほどで組み立てていたガンダムを,部品を改善し800パーツで組み立てる今までにない見事なガンダムに進化させた。海外からも注文が殺到しているそうである。その開発会議の様子が紹介されていた。チーム会社として,肩を寄せ合い丸くなって「だ~れが生徒(部下)か♪,先生(上司)か♪...」分からない雰囲気で話し合い(開発会議)をしているのである。さすが日本の企業であると,妙に感心してしまった。
ところが,ある本に紹介されているオーストラリアのB社の会議は,話し合いというものがない。上司(経営者,担当責任者)が,「基本方針や事業内容・方策など」を結構長々と述べ,それが終わると即解散というのである。それでうまくいっているというから不思議である。なぜかというと,「基本方針や事業内容・方策など」が,会社の長所・短所,開発課題を捉え,極めて理論的,具体的だからのようだ。もちろん,部下たちは,それを受けてさらに具体的に検討し実施していくのだそうだ。上位下達ともいえるが,経営者・上司の話の内容が,部下たちにとって説得力があるからだそうだ。
このことを,C社で商品開発を担当している大学の後輩のDさんに話したところ,「我が社もB社と同様の状況がある」という。が,「一番の違いは,いいものを造れ,売れるものを造れ!とはいう」が,「精神的な叱咤激励で,具体性がないから...」と。
部下をほめるのに,内容が分かっている上司は具体的な中身で褒め,注文を付けられる。指導するのにも,B社の上司のように会社の事業内容と実態・課題が分かっていれば具体的に示すことができるが,C社のような上司ではそうはいかないということであろう。これは,「学校管理職」の場合も同様である。(H・K)
(2018年5月9日)