教育研究所
№859「野生の植物の生命力」
何十年か前に,三宅島の神着の実家の庭から移植したセッコクが,すっかり萎えてしまい諦めて放っておいた。何年か前に,三宅島の大久保浜で拾った実を蒔いて,実生の浜木綿を楽しんでいたが,温暖化をいいことに冬季に屋内に入れなかったために葉は茶色に縮み,茎は真っ黒に変色してしまい,これも諦めて放っておいた。
5月になって,家人が「椿の木にセッコクの花が綺麗に咲いている!」といっているので,庭に出てみたら5本ほどの茎に,数輪の2~3センチほどの花が咲いていた。今度,藁縄を見つけて,根本のところの保水がうまくいくようにしてあげよう。
もしかしたら浜木綿もと,植えてあった鉢のところに行ってみたら,こちらも元気にかなり大きな葉っぱを数枚付けて自己主張していた。夏の盛りには白い上品な花を咲かせるに違いない。
それにしても,野生の植物の生命力には驚いた。最悪の条件の中でも,万に一つの好転を窺ってじっとその機会を待っていたのだと,「もうダメだ」と放ったらかしにしていた浅はかさを恥じた。今度は,手入れもして,セッコクも浜木綿も殖やしたいと思っている。(H・K)
(2018年6月21日)