教育研究所
№864「子供の頃の好奇心」
ファーブルの「昆虫記」,シートンの「動物記」,牧野富太郎の「植物図鑑」,サカナ君の「魚談義」などなど,もとを正せば少年時代の好奇心がおとなになっても続いていたことによる産物である。
ノーベル賞を受賞した方々の研究や行動,著作なども,よくよく聞いてみると「子供の頃の好奇心」が元になっているようである。というように,子供の好奇心をくすぐることは,極めて重要なことのように思われる。スマホとゲームで育った子供たちは,何に好奇心を抱き,どのような道・生き方・仕事・こだわりを持ち続けるのだろうか。
随分前に読んだ「僕らの昆虫記」(盛口満著,講談社社現代新書)を読み返している。ファーブルに負けないくらい子供の頃から昆虫に夢中になって,高等学校の先生になった今もその熱は冷めず,こうした著作になって,中高生を刺激している。
第1章「虫へのまなざし(オリンピック虫,ミノムシの成虫を探すなど13の話題)」,第2章「ゴキブリを追う(ゴキブリの由来,ゴキブリ飼育日記など14の話題)」,第3章「舌の上のセミ(セミとスカラベ,セミの不思議さ,謎の深い昆虫セミなど22の話題)」,第4章「幻のフンコロガシ(オーストラリアのフンコロガシ,フン玉づくりの謎など16の話題)」,第5章「カマキリの名前(ヘイケガニという名前,カマキリの名前など11の話題)」と,読み返して,再度楽しむことができた。(H・K)
(2018年6月28日)