教育研究所
№875「牧野富太郎植物記1-野の花」
手元にあるのは,あかね書房から昭和49年発行(7刷)であり,今なお読まれているそうだ。「たちまち〇万冊!」ということを期待するかのような「売れるか!?」を判断基準にする本づくりをする会社はないと思うが,目先のことに拘らず,いい本を息長く出し続ける「プロ意識」「価値判断」「社会貢献精神」に脱帽せざるを得ない。
本書を,研究所の畑中先生なら植物学の専門的な視点から活用するに違いないが,我が家のアジサイ(愛妻ではない,昔乙女,今, 渡辺直美ばりの太目高齢者)は,最近習いだした絵画教室の「絵の手本」にしている。
今なら写真,スマホでカシャッと簡単にカラーで撮影して,手本にできるが,本書は,牧野富太郎先生の繊細な黒一色の描画である。これが,植物特に花を描く時の手本になり,色付けをすればOKなのだそうだ。牧野先生もご自分の植物図鑑の妙な使われ方に,天空で苦笑いをしていることであろう。どうぞお許しください。(H・K)
(2018年7月31日)