教育研究所
№878「担任の一言」
理由はわからないが,孫が欠席した友人に届け物があるという。連絡したら,家族で食事に出かけるので午後9時半ころにならないと帰宅しないという。
雨は降っているし,最近いろいろな事件が起きているので,「明日(土曜日)にしたら!」と言い聞かせるが,「絶対に届けに行く!」と言い張る。「お前のことが心配だから言っているんだよ。明日にしなさいよ」「ダメ,9時半ころに出かける」と言い張る。
根負けをして,「じゃあジージがついていくよ」ということで,暗くなった夜道を出かけた。
ところが,友達の家の近くになると,「一人できたことにするから,この辺で待ってて」だって,「調子いい奴」と思ったが,まあいいやということで,マンションのそばで待っていた。数分経って「喜んでいたよ!やっぱり来てよかった」とニコニコ顔でやってきた。
帰りすがら「どうして今日に拘ったの?」と訊くと,「先生に今日中に届けてと頼まれたのさ」ということだった。「教師の一言」の重みを改めて思い知らされた。それだけに,毎日,毎時間,子供と向き合う先生の「重さ」とある意味の「恐ろしさ」を感じた次第である。 (H・K)
(2018年8月3日)