教育研究所
№882「午前中5時間授業」
東京都武蔵村山市立第二小学校が,午前中5時間授業を実施していることを知ったのは,2013年(平成25年)頃のことである。大げさに言えば,日本で初めての試みだとすっかり思い込んでいた。井の中の蛙であった。
ところが,教育新聞(2018年7月30日付)によると,東京都目黒区では,授業時数確保のために午前中5時間制を,既に2002年(平成14年)から教育委員会として導入していたそうである。目黒区の小学校のいくつかの校内研究の仲間に入れていただいていたが,そのような学校に出会わなかったので,このことを知る機会がなかった。
教育長先生は「1単位時間を40分とし,集中力の高い午前中に5単位時間の授業を行う。学力の定着・向上や午後の時間にゆとりを生み出し,各学校の実態に合わせた活用を図ることが目的」,新学習指導要領の実施で授業時数が増加し「授業時数の確保が急務で,その解決策として有力視されており,カリキュラム・マネジメントとしても非常に有益だと感じる」と,教育指導課長先生は「1単位時間当たり5分短くなることで,教員の授業力の向上にもつながっている。いかに授業の無駄を省くか,どの学習をどのコマでするのが効果的か,メリハリを意識できるようになる。短くなった5分は,国語や算数のような習熟が必要な科目で短時間学習に当て込み,日々反復した基礎学力の定着を図る。」などと,意義と運用について語っている。
クリティカル・シンキングするための「情報」の1つとしてお知らせしたい。。(H・K)
(2018年9月5日)