教育研究所
№885「落ち葉で遊ぶ親子」
涼しい朝の6時過ぎのやや広めの歩道で,3歳くらいの男の子と父親が,手に大きな落ち葉をもって楽しそうに遊んでいた。カラカラになった落ち葉を,足で踏んづけたり,手で掬い上げた歩道にまいたりして,それはそれは楽しそうで,ぶすっとした顔が普通になっている自分の表情が,少し緩んでいることを鏡なしでも自覚できるような光景であった。
そこへ,近くの工事現場から出てきたおじさんが,ゴボウのようにごつごつした手で,落ち葉を一枚一枚拾い,そばにあったゴミ箱に片付けだした。
それを見た親子は,遊びを落ち葉拾いに切り替えた。
おじさんが「ありがとう!」というと,男の子が「おじちゃん,きれいにして,えらいね」と答えました。「坊やに褒められて,おじさんは嬉しいよ」と,照れていました。
どう表現したらいいかわからないが,「大人の無言の行動」が,子供にも,大人にも,何かを教えてくれるのだということをしみじみと実感した。(H・K)
(2018年9月10日)