教育研究所
№886「管理するだけの管理職と教え込む教師はいらなくなる」
AI時代に突入した感がある。AIによって人間の果たす役割が薄くなり,AIが幅を利かせる時代になると多くの人(識者)が喧伝している。その流れの中で,教職員を管理するだけの管理職と,知識・技能を教え込むだけの教師はいらなくなるともいわれている。
では,人間(人類)の存在意義は何か,学校における管理職と教師はどうあるべきかと考えざるを得ない。
AIといえども,何をするのか(目的や目標)を示さないと,ビッグデータを活用して解決し,結果を出すことはできない。羽生棋士に,将棋で勝つことができるAIてはあるが,小学校を訪問して,「自分は将棋に夢中になって頑張ったが,皆さんにはそれぞれにやりたいことがあるでしょう。それに向かって,どのようにしたら実現できるか考えて,頑張ってほしい。人間は,好きなこと,したいこと,自分の夢を実現しようと努力することが大切です。自分に生き方,自分のしたいことに向かって。」などと話をすることはできないでしょう。
校長先生,副校長・教頭先生には,「効果的な学校運営」を進め,教職員とともに「質の高い教育活動」を展開し,子供たちに「質の高い教育」を保障してほしいのです。学校教育の「目的,目標」を明確にし,自覚し,それを実現する「教育活動すなわち授業」を実施するという,自ら定めた目標に向かって,自ら考え,主体的に実行するということは人間にしかできないのではないでしょうか。
そのために,AIを搭載したロボットや機器を活用することには少しも躊躇する必要はありません。ご主人様は,「意図」を持った「人間」なのです。(H・K)
(2018年9月13日)